HIROTTON COLLABORATION

パンクとアートとスケートボード、この三位一体となるストリートカルチャーを独自の作風で表現するアーティストHIROTTON (ヒロットン)が、DISCUS ATHLETICのために描き下ろした新作アートで、コラボレーションアイテムをドロップ!

Photo_MasaakiSasaki
Edit_E.V.I.design works

  • — HIROTTONさんのアートは独特の作風を築き上げています。現在のアーティスト活動につながるきっかけのようなものは何かあったのでしょうか。(以下、HRTTN)

    HRTTN 元々絵を描くことは好きだったんで、そういう学校に行ったんですね。芸術大学へ。そこでは溶接でオブジェみたいなものを作ってたんです。なにか彫刻的な感じの。等身大のスカルとか。

    それでそれを4年やって、でその後にロンドンに行ったんです。バイトでお金貯めて。

    でロンドン行ったときに向こうでもそういう作品作りをしたかったんですけど、いわゆるそんな溶接の施設なんてどこにもなくて。(苦笑)

    でも何か創作活動はしたいなと思ってたら、現地で仲良くなったスケーターたちがデッキに絵を描いたりとか、イラストを持ち寄ってZINE(ジン=※1)を作ったりとかしてて、そこで自分もやりたいなと思って描き始めたのが今に繋がっている感じです。

  • — なぜロンドンだったのですか?

    HRTTN 大阪にいたときにスケボー を一緒にしていた仲間で、ヘロインスケートボード(※2)のプロライダーがいて、近かったんですよ。で元々高校の時から英国系のハードコアパンクがすごい好きだったということもあったし、本場の空気に触れたかったというのもあって、ロンドンに行きました。

    本当は就活しなきゃいけなかったんですけど、そこにあんまり価値を見いだせなかった。そのまま就職してもなんかなぁ、と思って、それもあってロンドンに行くことにしました。

    でも最初は友達もいなかったんで、スケートパークとか行って徐々に友達ができていった感じです。結局なんだかんだ合計すると4年ぐらいいたんで結構友達もそこでできました。

    ちょうど今年6月にロンドンで展示をやるんですよ。だからほんと久しぶりに現地でみんなに会えそうです。

  • — 最初に触れたストリートカルチャーて何だったんですか?

    HRTTN やっぱりパンクロックとかの音楽が最初だったと思うんですよね。中学生くらいかな。年上の兄弟の影響もあってピストルズ(※3)とか好きだったし、世代じゃないものでも色々身近にあったので。そこからスイサイダル(※4)とかそっちのハードコアな方に向かっていったという感じです。元々スケボー は好きだったし、そこに自然とハードコア系のスケートカルチャーが結びついていったんだと思います。

     — この独特なタッチを獲得するまでには、色々なスタイルを経由されてるのでしょうか。

    HRTTN 最初はステンシルでスプレーもやってはいたんですが、並行してイラストも描いていて、振り返るとタッチ自体は元々こういうスタイルから変わっていないように思います。

  • — 影響を受けた人物とか物やコトはありますか?

    HRTTN まずイギリスのハードコアバンド 「CRASS」(クラス※5)があります。彼らが住んでるダイアルハウスにも行ったりしましたが、彼らの考え方、思想にはすごく共感するし学ぶことが多いです。いわゆるDIY精神ですね。自分たちでできることは自分たちで完結させるという。そういうところにすごい影響を受けています。

    あと自分が使う配色なんかもそうしたパンクカルチャーとか昔のスケートボード のアートワークの影響が強いです。蛍光色とかね。

    あとはペティボン(※6)とかエドテンプルトン(※7)。エドテンプルトンとはTOY MACHINEの仕事で関われたんですが、最初に会った時にはとっても緊張しました(笑)

    実際はとても気さくで優しい人なんですよ。

    ただ、影響を受けてるだけじゃなくて自分の新しいスタイルを見出すことも常に考えています。普段はペン画が多いのですが、最近ではキャンバスに筆で描くスタイルも取り入れています。

    ペンが筆に変わることで表現の仕方も変わるんです。次回の展示ではその辺も発表する予定です。

  • — 今回のDISCUSコラボでは描き下ろしのアートを発表されましたが、どんなことを考えて取り組まれましたか?

    HRTTN 今回初めてのコラボレーションということもあって、とにかく自分らしさが出れば良いな、と思いました。動物とかスカルとか、車などの機械的な物だったりとか。自分が好きで得意なモチーフを使って、見た人が一発で誰が描いたかわかるようなアートで表現しようと思いました。

  • — 今後の展望とか、夢などあればお聞かせください。

    HRTTN やっぱり海外での展示ですね。だから今年はロンドンでやれるんですごい楽しみです。そのうちニューヨークとかね、ようやくコロナも落ち着いてきたし世界どこでも出向いて発信していきたいですね。

     

    ※1 ZINE ジン=個人や同じ趣味のグループなどで作る冊子(雑誌)のこと。SNSが普及するずっと前に確立された表現方法のひとつで、ローカルなストリートカルチャーの発信の場でもあった。ZINEを通して広く認識されていった有名アーティストも少なくない。

     

    ※2 ヘロインスケートボード = 1999年にマークフォスターがロンドンにて設立したハードコアスケートボードブランド。

    数々の有名アーティストがデッキアートを提供していることでも知られる。

     

    ※3 SEX PISTOLS = 英国にて1975年結成のロックバンド。反体制的な歌詞に、斬新なファッションで表現される過激な音楽は世界中に多くのフォロワーを生み出し、パンクという新たなジャンルを生み出した。

     

    ※4 Suicidal Tendencies スイサイダルテンデンシーズ = 米国にて1982年結成のハードコアバンド。様々なスタイルを取り入れながら進化しミクスチャーロックの先駆けともなった。

     

    ※5 CRASS クラス = 英国にて1977年結成のパンクバンド。バンドメンバーを中心とした無政府主義者のグループで、「ダイアルハウス」と呼ばれるコミューンにて共同生活を営み、当時まだ珍しかった個人レーベルの立ち上げから、録音、印刷など「生産」を自らで行うといったDIY精神をもとに、大衆やマーケットに媚びない自由な表現によるスタイルを提示した。

     

    ※6 Raymond Pettibon レイモンドペティボン = 1957年米国出身の画家。「Black Flag」や「Sonic
    Youth」のアートワークで知られる。どこかダークで風刺的な世界観が特徴。

     

    ※7 Ed Templeton エドテンプルトン = 1972年米国出身のスケートボーダー、アーティスト。 スケートボードカンパニー「TOY MACHINE」の創設者としても知られる。

  • HIROTTON
    Artist / Painter
    1986年生まれ。
    美術大学卒業後、英国ロンドンに渡る。
    4年間に渡る現地でのアート活動を経て、2012年活動の拠点を日本に移し、現在のスタイルを確立する。
    パンクシーン、スケートボードカルチャーからの強い影響を独自のフィルターに通し作品へと昇華させる。
    近年では、Heroin skateboardsやTOY MACHINE、FOUNDATION、VANS、PUMAなどへのアートワーク提供等、活動の場を広げている。
    6月にはロンドンでのエキシビジョンが予定されている。

     

    OFFICIALWEB SITE 
    https://hirotton.com/

     
    WEBSHOP
    https://hirotton.theshop.jp/

     

    Instagram
    https://www.instagram.com/hirotton/